◆紬(つむぎ)
紬は趣味の着物として親しまれている着物です。結城(ゆうき)紬、上田紬など重厚な、比較的固い感じで張りがあり、大島紬などは張りとつやがあります。
柄は、幾何学的な柄や縞、かすりが多く、色は渋く落ち着いた品の良さがあります。洗い張りをしているうちに色、地質ともに落ち着き、他の着物にない美しさと親しみを感じさせます。紬でも高級品とされているのが、大島紬と結城紬です。どちらも手織りで、特に大島紬は染料が植物染料のため値段も高価ですが、あくまでも街着、旅行着など趣味の着物なので、訪問着以上の値段であっても礼装着としては着る事はありません。
・八掛(はっかけ)
紬の着物の八掛は、表との釣り合いを考えて、紬の八掛をつかいましょう。色は同系濃淡、または柄の一色などが無難です。
八掛とは、袷の着物の裾の裏につける布です。裾回しともいい、本来は裾につけていたものですが、袖口にも同じ裏布が用いられるようになりました。歩いたり座ったりするときに目に触れることも多く、裾や袖口の色のアクセントにもなるため、こだわると隠れたおしゃれになります。
・帯
織の着物には昔から染め帯といわれていますが、必ずしも染め帯とは限りません。袋名古屋の染の九寸、名古屋帯又はざっくり負った八寸名古屋帯、紋織り、博多織り、紬織りなど無地のもの、通しに染めた紅型などの小紋風のもの、ワンポイントになった花柄など、着物の中にある柄の色とピッタリ合うように、また同系濃淡の扱いなど、楽しい組み合わせにしたいですね。
【紬の着物に必要な小物】
下着
□肌襦袢・・・白のさらし、またはガーゼ。
□裾よけ・・・白、ピンク、ブルーなどのレーヨン類、又は交織。
□襟芯・・・長襦袢の半襟に入れて、襟の形を整えます
□タオル&補正小物・・・キレイな着付けをする為に補整用として必要となります。
□腰ひも・・・5本
□伊達締め・・・2本
□長襦袢・・・薄色の無地化、ぼかしの紋綸子(絹織の一種)、ちりめんなど。
(鹿の子柄、麻の葉などの柄ものもよいですね。街着としての着物なのでもちろん単衣(ひとえ)で大丈夫です。)
□足袋・・・白キャラコ、ブロードなどの4枚または5枚コハゼ。(コハゼとは、足首の後ろについている爪型の金具のこと。)
□帯揚げ・・・綸子(絹織の一種)の無地かちりめんなどで、絶対に総絞りなど派手なものは避けましょう。
□帯締め・・・渋い色の一色または2色の組み紐。平打ち紐の太手でないもの。
□半襟・・・白の塩瀬羽二重、または色半襟でもあまり濃すぎない色を選びます。
□バッグ・・・洋服の感覚で革製でも良く、手提げ式のものを和様兼用に浸かっても良いし、きれ地のかかえふうのものでも良いです。
□草履…低めの高さのものが合います。
【紬の着付上の注意】
・長襦袢は広襟よりバチ襟のほうが着やすいです。街着なのでワンピース式のもの、半襦袢でも大丈夫です。
・着物と長襦袢の襟は、背中側は長襦袢の方を0.5cm控え、襟元は紬の場合細目に出します。半襟には必ず襟芯を入れましょう。
・着物丈はやや短めに着て裾線はおくみの縫い目あたりから自然につま先上がりにします。あまりつま先上がりに、体に巻き付けるように着付けるとしわが出ます。スポーティに着付けた方が紬の正確に合うので上前下前ともつま先は上げすぎないように。
・おはしょりは長すぎないように右4cmひだり6cmほどにしましよう。
・帯の位置はやや低めに結びます。帯幅を広げすぎたり、斜めに締めたり、たいこの山を広げたり、山を大きくしたり、派手に太鼓を大きく結んだりすることは避けましょう。
【紬の仕立て上の注意】
紬類は特にしわが目立ちますから、なるべくしわを出さないためにも補整を正しく行いましょう。また寸法にしても、体に合った寸法、正しい寸法鳥の着物を作るようにし、身幅が広すぎたり、身丈が長すぎたりしないように注意します。
◆小紋
小紋の種類は豊富で、京都で生まれ豪華で多彩な友禅、オーソドックスな一色染めの伝統ある江戸小紋、ろうけつ、紅型、摺り染め。柄も大柄、中柄、小柄、とび柄、連続柄などがあります。着る範囲も非常に広く、おしゃれ着から外出着、準礼装まで用いられます。
生地には一越(ひとこし)ちりめんが主流で、紋綸子(もんりんず)、五枚繻子(ごまいじゅす)ちりめんなどの綸子(絹織の一種)類、それに上代ちりめんなどがこれに続きます。特殊なものとして、織りの大島や結城などの紬類も小紋染めとして染められるものもあります。
江戸小紋などには、重ね襟をつけて趣味の着物として、パーティやお正月の晴れ着として着るのも良いでしょう。
お嬢様の小紋は、友禅のものは袖丈により、訪問着や振袖の代りとして用いられるものもあります。その場合は着る人により袖丈も長袖に仕立て、袂の丸みも大きくし、若々しさを出しましょう。
帯は、奥さまの場合は塩瀬の染め名古屋、袋名古屋、九寸名古屋など、着る場所によっては袋帯や細帯以外でしたらどんな帯でも大丈夫です。
【小紋の着物に必要な小物】
□肌襦袢・・・白のさらし、またはガーゼ。
□裾よけ・・・白、ピンク、ブルーなどのレーヨン類、アセテート類など。
□襟芯・・・長襦袢の半襟に入れて、襟の形を整えます
□タオル&補正小物・・・キレイな着付けをする為に補整用として必要となります。
□腰ひも・・・5本
□伊達締め・・・2本
□長襦袢・・・薄色の無地か、ぼかしの紋綸子(もんりんず 絹織の一種)、ちりめんなど。
□帯板・・・横長大型。
□帯枕・・・奥様は細長中型、お嬢様は厚みのある大型
□半襟・・・白の塩瀬羽二重、または色半襟。
□帯揚げ・・・無地の綸子(絹織の一種)または部分絞り。
□帯締め・・・1~2色の組み紐。
□足袋・・・白の4枚または5枚コハゼ。(コハゼとは、足首の後ろについている爪型の金具のこと。)
□バッグ・・・エナメルや革製の手さげ型、またはかかえ型の小さめの物など。
□草履…エナメルの色無地など。
【小紋の着付上の注意】
・長襦袢の着付けは、腰下がすっきりと細くなるように、上前下前のつま先をぐっと上げて着付けましょう。
・襟合わせは柔らかみを持たせて、衣紋は少し抜くように。あまり引きつけて着ない方が美しいです。
・着物を着るときは下前裾はつま先が上がりすぎると上前の見頃にしわが出るので注意しましょう。
・後ろ裾は長めに優雅に着付け、かかとまでは丈が必要です。
・腰ひもは肩甲骨の上に締めます。
・長襦袢の襟に合せ着物の襟を整えます、半襟は襟肩までは着物からのぞかないように、合わせ目で1.5cmほどは出しましょう。
・後ろ肩甲骨下に背縫いを中心に内向きのひだにします。
・前身の胸もとの余分も、両乳わき下でひだをとりながら胸ひもを締めます。
・おはしょりは下前のおはしょりを帯下に隠れるようにたくし上げ、上前は柔らかい右上がりのカーブで右6cm左8cmほどのおはしょりの長さに決めましょう。
・奥様の場合の帯はお太鼓むすびで結構ですが、お嬢様の場合は若々しさを出すために変わり型のお太鼓結びにすると素敵です。
・帯揚げはあまりのぞかせないよう彩に添えるくらいで。帯締めは中央より気持ち下に締めます。
小紋の着付けは、着る場所、雰囲気によって染めも変わり、それによって格式ある着付け、外出用、おしゃれ用の着付けと変えます。襟の抜き方、帯揚げの整え方、着丈の決め方、帯の作りなど個性、好みに合わせて着付けて変化を楽しみましょう。紬などの着物よりは優雅に、ドレッシーに着たいのが小紋の着物です。
◆中振袖
中振袖は17歳ぐらいから23歳ぐらいまでの未婚のお嬢様のの第一級礼装です。結婚式やパーティー、成人式、初詣、結納、などに着用します。
生地は紋綸子、駒綸子や緞子ちりめんが主流で、模様は総絵柄や絵羽模様の大柄が多く、染めは友禅染がほとんどのようです。
袖丈は本振袖と訪問着の中間の長さで、身丈によって袖丈が変わります。
帯は糸錦、つづれなどの袋帯。模様は格調高い扇面や菊華紋、その他蝶や花模様などがあります。
八掛(はっかけ)は大振袖の場合は留袖と同様に表と共布にしますが、中振袖の場合は八掛地を別にして額縁ぼかしなどの八掛を使います。表に合せて重めのちりめんを使い色は着物の柄の1色にすると良いです。
【中振袖の着付けに必要な小物】
□肌襦袢・・・ガーゼ製の襟幅の細いもの、ピンクか白の小襟付き。
□裾よけ・・・白、ピンク、ブルーなどのレーヨン類か交織のもの。
□襟芯・・・長襦袢の半襟に入れて、襟の形を整えます
□タオル&補正小物・・・キレイな着付けをする為に補整用として必要となります。
□長襦袢・・・袖丈は必ず着物と合わせましょう。
□腰ひも・・・5本
□伊達締め・・・2本
□帯板・・・横長幅広のもの
□帯枕
□半襟・・・白の塩瀬羽二重、刺繍などが施された色鮮やかな半襟。重ね襟をしてもステキです。
□帯揚げ・・・総鹿の子絞り。
□帯締め・・・若々しく華やかなものがおススメ。
□足袋・・・白の4枚または5枚コハゼ。(コハゼとは、足首の後ろについている爪型の金具のこと。)
□バッグ・・・小型バック。
□草履…台の高めのもの。
【中振袖の着付順序】
・裾よけ、肌襦袢を着て、足袋を履きます。
・体型に応じで補正を行います。
・長じゅばんを着ます。衣紋は気持ち抜き(首から8~10cmくらい)、前首くぼみしたで左右見頃の襟がきっちり合わせます。裾はすぼまるように腰骨の上で紐を締めます。胸もとは、伊達締めでしっかり締めておきます。
・着物を羽織ります。上前の幅を決めてから、下目の襟下線をわき線まで合わせ、余分は歩きやすいように表側に折り返します。上前にしわを出さない為に下前は挙げすぎないよう注意しましょう。
・裾丈を決めます。中振袖は草履も高めなので、草履の高さを考えて長めに着付けます。かかとより2cmほど長くしておくと紐を締めてからちょうど良い丈になるでしょう。下目のつま先は15cmほど裾より上げ、上前は5cmほど上げましょう。
・おはしょりを整えます。おはしょりの間に指を差し込み、下目のおは処理は帯下に折りたたんでたくし上げ、上前だけでおはしょりを作ります。おはしょりのながさを決め、すそ線と合わせて右上がりに整えます。
・帯を締めます。中振袖の場合は若々しく華やかな後姿になるように結びましょう。
◆留袖
既婚女性の第一礼装である留袖は、黒地染め抜き「五つ紋」を付けた江戸褄模様(裾模様)の黒留袖と地色が黒以外の色留袖(現在は一般的に「三つ紋」で、第二礼装として扱うことが多いようです。)
模様は格調ある吉祥文様、古典柄が主で、染と手刺繍、箔おきなどを加えた、格調高い重厚感のあるものです。模様の位置も裾の下の方に多く合ったのが、最近では腰の帯下あたりまで模様を置くようにもなりました。
留袖の形体は正式には二枚重ねですが、着付けなどの理由から最近ではほとんどが付け比翼になりました。
帯は丸帯、または袋帯の錦織りの厚みのあるものを使用します。
【留袖の着付けに必要な小物】
□肌襦袢・裾除け・・・着物用の下着のことです。肌襦袢(上)と裾除け(下)と分かれているタイプもあればワンピースタイプもあります。
□タオル&補正小物・・・キレイな着付けをする為に補整用として必要となります。
□腰ひも・・・5本
□伊達締め・・・2本
□長襦袢・・・色は白。
□襟芯・・・長襦袢の半襟に入れて、襟の形を整えます
□前板・・・帯にしわをつくらないようにするための板。
□帯枕・・・帯の形を整えて固定する為もの。大型~中型。
□帯・・・礼装用の袋帯で金銀糸のものが◎
□帯揚げ・帯締め・・・白地で金銀が施されたものが良いです。
□足袋・・・5枚コハゼ(コハゼとは、足首の後ろについている爪型の金具のこと。)のものがフォーマルです。
□草履バッグ・・・礼装用は金や銀のものがふさわしいです。
(□末広・・・婚礼用の扇子。)
【留袖の着付け順序】
・肌襦袢を着て、足袋を履きます。
・体型に応じで補正を行います。
・長襦袢を着ます。衣紋を普段よりも多めに抜きます。衣紋を大きく抜いたぶん半襟の幅も広くし、喉のくぼみの下あたりでゆったりと合わせます。着崩れは長襦袢の着付けの良し悪しで決まります。着物を着る前にしっかり整えることがポイントです。
・着物を着ます。上前幅を決めますが、留袖は前がはだけては失礼ですし見かけも美しくないので、より深めに(襟下線がわき線を越えるように)合わせましょう。また、裾つぼまりになるように、つま先は上にあげます。
・着物丈は長めに、上前を開いて下前を合わせ、余分は自然に折り返します。留袖は歩きにくい物です。なので下前の裾は思い切って上げるようにすると良いでしょう。
・腰骨上に腰ひもを締めます。(裾が重いので、紐の位置は下めが良いでしょう。)
・襟元は襟肩まわりは半襟を出さず、合わせめでは他の着物より多めに出します。
・おはしょりを整え、伊達締めを締めます。おはしょりは表ズン6cmほどですが、留袖の場合は少し長めに右8cm、左10cmぐらいにします。
・背のひだは、斜め線を気にせず直線にとります。身幅の残りはわきに入れるようにします。
・帯を締めます。テの長さは前胴いっぱいでわき線まで届くくらい長めにします。
・お太鼓は二重太鼓にします。お太鼓の山を決め、帯枕を当てて山を作って帯揚げを締めます。
・お太鼓の形を品よく整え、帯締めを締めます。帯締めは帯幅の下から1/3の位置に、結び目は中心に作り、2本重ねて1本に整えます。
・帯揚げは十の字になるよう、中心の結び目をまっすぐに整え、左右の端は綺麗に内側に折り込み、全体をすっきりとまとめます。
・仮紐を取り、出来上がりです。
留袖の着付けは個性を出しすぎますと品位が落ちますから注意してくださいね。
参考書籍 帯姿
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